泣いてみろ、乞うてもいいネタバレ結末!子供や原作の最後も解説

漫画のあまりにも美麗で繊細な絵柄に惹かれて読み始めたものの、物語が進むにつれて露わになるマティアスの冷酷で狂気じみた行動に、「え、これ本当に大丈夫?」「ハッピーエンドになる未来が見えない…」と不安になっていませんか。
泣いてみろ、乞うてもいいのネタバレや結末を知りたいという切実な気持ちは、この作品のジェットコースターのような展開に翻弄されている読者なら誰もが抱く感情だと思います。
私自身、連載を追いかけながら何度胃が痛くなったかわかりません。
原作小説の最終回では、主人公二人のその後だけでなく、読者の心を痛めるカイルやビルおじさんの運命、そして二人の間に生まれる愛しい子供たちの存在まで、驚くほど詳細に描かれています。
ネット上では「気持ち悪い」「有害だ」といった賛否両論の感想も飛び交っていますが、そこには単純な「胸キュン」を超えた、人間の業と赦しを描く重厚なドラマがあるのです。
この記事では、物語の核心部分から原作のラストシーンまで、私自身の考察を交えながら徹底的に解説していきます。

- マティアスとレイラが迎える最終的な結末と、その後の結婚生活の様子
- 二人の間に生まれる子供たち、フェリックスとアリエラの詳細なエピソード
- カイルやクラウディーヌ、ビルおじさんといった脇役たちが辿る運命
- 物語が「気持ち悪い」と評される理由と、それでも読者を惹きつける作品の魅力
泣いてみろ、乞うてもいいのネタバレと結末
ここでは、物語の最大の焦点であるマティアスとレイラの関係がどのように決着するのか、その詳細を一切包み隠さず解説します。
「地獄のような関係」から始まった二人が辿り着く結末は、多くの読者が懸念するような悲劇的なバッドエンドではありません。
しかし、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではなく、妊娠、逃亡、そして戦争という極限状態を経て、ようやく掴み取った「痛みを知る者同士の愛」です。
二人がどのようにして互いを許し、愛を再確認したのか、そのドラマチックな展開を深掘りしていきましょう。
レイラとマティアスの最終回結末

結論から申し上げますと、マティアスとレイラは数多の苦難を乗り越え、最終的に結ばれて正式に結婚し、ハッピーエンドを迎えます。
物語のクライマックス、戦争という生死が隣り合わせの極限状態の中で、二人は運命的な再会を果たします。かつてレイラを自分の領地「アルビス」という鳥かごに閉じ込め、教育の機会を奪い、精神的に追い詰めていたマティアス。
しかし、レイラの逃亡による喪失感と、戦場での過酷な経験は、彼の傲慢だった価値観を根底から覆していました。
再会した時、マティアスは以前のような「支配者」ではありませんでした。彼はレイラの命と自由を守るため、自らの軍隊を使って彼女を安全な場所へ逃がそうとします。
そして、「二度と追わない」と約束し、彼女の幸せを願って自ら身を引く決断をするのです。この「執着の手放し」こそが、逆説的にレイラの心を大きく揺さぶることになります。
レイラは逃亡生活の中で、自由を手に入れたはずなのに心が満たされない自分に気づいていました。
そしてマティアスが自分を逃がすために見せた自己犠牲的な態度に触れ、彼への憎しみの中に隠れていた「愛」を自覚するのです。
戦後、奇跡的に生還したマティアスの元へ、レイラは自らの意思で戻ることを選択します。誰に強制されたわけでもなく、自分の足で彼の元へ歩み寄ったのです。
結婚後のアルビスでの生活
最終回付近で描かれる二人の結婚生活は、序盤の暗い雰囲気が嘘のように穏やかです。マティアスはかつての冷徹さを完全に捨て去り、レイラを対等なパートナーとして尊重します。
二人はアルビスの美しい庭園で、過去の傷を互いに癒やし合いながら、静かで満ち足りた日々を送ることになります。
読者としては「やっとここまで来たか」と、安堵の涙を流さずにはいられない大団円です。
二人の子供フェリックスとアリエラ

ファンとして最も気になるのが、二人の愛の結晶である子供たちの存在ですよね。安心してください。
マティアスとレイラの間には、物語の未来を象徴するような可愛い子供たちが誕生します。
| 名前 | 性別 | 特徴・エピソード |
|---|---|---|
| フェリックス (Felix) | 長男 | 物語中盤の妊娠・逃亡編で授かった子。マティアス似の容姿だが、瞳はレイラと同じ。マティアスにとって「世界を変えた」存在。 |
| アリエラ (Ariella) | 長女 | 平和な生活が戻った後に誕生。マティアスに溺愛されるお姫様のような存在。 |
長男フェリックスの誕生秘話
長男のフェリックスは、物語の最も苦しい時期に授かった命です。
レイラが妊娠に気づいた時、それはマティアスを繋ぎ止める鎖ではなく、彼から逃れるための決意の象徴となりました。
しかし、結果的にこの子の存在がマティアスの冷酷な心を溶かす最大の要因となります。
戦後、父親としての自覚を持ったマティアスは、フェリックスに対して驚くほどの愛情を注ぎます。
かつて「他人は道具」としか思っていなかった男が、息子の小さな手を引いて庭を散歩し、絵本を読み聞かせる姿は、読者にとって最大のギャップ萌えであり、救いでもあります。
幸せの象徴、アリエラ
そして物語の完全なエピローグとして、娘のアリエラも誕生します。
フェリックスがお兄ちゃんとして振る舞い、マティアスが娘にデレデレになる様子は、まさに平和そのもの。
ヘルハルト家の厳格で冷たい雰囲気は完全に払拭され、愛と笑い声に満ちた温かい家庭が築かれていることが示唆されます。
妊娠と逃亡から再会までの流れ

物語が急展開を迎えるのは、レイラがマティアスの子供(後のフェリックス)を妊娠し、アルビス公爵領から命がけの逃亡を図る場面からです。
このパートは作品全体の中で最も緊張感が高く、読む手が止まらない展開が続きます。
鳥かごからの脱出
レイラはずっと準備をしていました。マティアスに囲われた「黄金の鳥かご」から飛び立つために。
妊娠が発覚した時、彼女はそれをマティアスに告げることなく、姿を消します。これがマティアスにとって、人生で初めての「完全な敗北」と「喪失」の体験となりました。
彼は半狂乱になってレイラを探し回ります。仕事も放り出し、なりふり構わず彼女を追い求める姿は、狂気的であると同時に、彼の中でレイラの存在がいかに大きくなっていたかを証明するものでした。
この期間、マティアスは食事も喉を通らず、やつれ果てていきます。彼が初めて知った「孤独」と「焦燥」が、彼の人間性を少しずつ変えていったのです。
戦場での決断と別れ
そして運命の歯車は戦争へと転がります。戦火の中で、マティアスはようやくレイラと、彼女を守っていたカイルを見つけ出します。
通常のマティアスなら、ここで力ずくで連れ戻したでしょう。しかし、彼は違いました。
マティアスの変化と決断
- 自分のエゴで連れ戻すのではなく、彼女と子供の命を守ることを最優先した。
- 自分の軍隊を使って、レイラとカイルを安全な後方へ退避させる手配をした。
- 「子供はカイルの子として育ててもいい」という覚悟さえ見せ、身を引いた。
マティアスは、生まれたばかりの子供(フェリックス)をヘルハルト家の正当な後継者として認める書類をカイルに託し、戦場へと戻っていきます。
これは彼なりの「最期の贖罪」であり、レイラへの不器用すぎる愛の証明でした。「二度と君を追わない」。その言葉を残して去る彼の背中が、レイラの心に深く刻まれたのです。
原作小説での結婚後のエピソード

漫画版でも感動的な結末を迎えますが、原作小説では結婚後の生活がさらに丁寧に、解像度高く描かれています。
私が原作を読んで特に「素晴らしいな」と感動したのは、レイラが単に「公爵家に愛されるお飾り」になったわけではないという点です。
知的に自立した女性への成長
レイラはもともと聡明で、学ぶ意欲の強い女性でした。物語序盤ではマティアスの妨害によって大学進学の夢を絶たれましたが、結婚後、彼女はその夢を再び追いかけます。
マティアスは今度こそ彼女の翼を折ることなく、学業を全面的にサポートするのです。
小説では、レイラが大学に通い、育児と学問を両立させる様子が描かれています。彼女はただ守られるだけの存在ではなく、公爵夫人としての品格を持ちつつ、自分の世界を持つ自立した女性へと成長しました。
大学での講義を受け、友人たちと議論し、そして家に帰れば愛する夫と子供たちが待っている。
そんな充実した日々を送るレイラの姿は、かつての悲惨な境遇を知る読者にとって、涙が出るほど眩しいものです。
夫婦の甘い時間
また、二人きりの甘いエピソードも豊富です。マティアスはレイラに対して常に甘く、時には独占欲を覗かせながらも、彼女の意思を尊重します。
夜の語らいの中で、かつての互いの過ちや痛みを静かに共有し、許し合うシーンなどは、小説ならではの心理描写の深さが光ります。
二人は互いに「あなたがいなければ生きていけない」と深く依存し合いながらも、それが健全な愛へと昇華されているのです。
マティアスの後悔と改心の真意

読者の中には、「あれだけ酷いことをしたマティアスが、ハッピーエンドを迎えていいの?」「本当に改心したと言えるの?」とモヤモヤする方もいるでしょう。
その気持ち、痛いほどわかります。彼は確かに、現代の倫理観では許されない数々の罪を犯しました。
言葉ではなく行動で示した贖罪
しかし、作者のSolche先生は、マティアスに安易な謝罪の言葉を並べさせるのではなく、「行動」と「喪失」を通じて禊(みそぎ)を行わせました。
彼にとって最も重要だった「プライド」「支配欲」「家門の利益」。それら全てを投げ打ってでも、レイラの命と自由を守ろうとした戦場での行動。
あれこそが、彼の改心の真意です。彼は自分の命を賭して、レイラへの愛を証明したのです。
また、戦後に再会した際、彼は決して傲慢に振る舞いませんでした。レイラが戻ってきてくれたことに感謝し、一生をかけて彼女に尽くす姿勢を見せています。
彼の改心は「性格が別人になった」というよりは、「愛する人のために自分のエゴを殺せるようになった」という表現が正しいかもしれません。
かつての「美しい悪魔」が、愛を知ってひざまずき、乞う。
タイトルの『泣いてみろ、乞うてもいい(Cry, or Better Yet, Beg)』は、当初はマティアスがレイラに向けた傲慢なセリフのように聞こえましたが、最終的にはマティアス自身が愛を乞う立場になるという、強烈な皮肉とカタルシスを含んでいたのです。
泣いてみろ、乞うてもいいのネタバレ考察
ここからは、主人公の二人以外のキャラクターや、作品全体に対する考察をさらに深めていきます。
この作品が名作と呼ばれる所以は、脇役たちの人生もまた、残酷なほどリアルに、そして丁寧に描かれている点にあります。
特にカイルやクラウディーヌといったキャラクターたちの結末は、この物語に「ビター」な深みを与えています。
脇役カイルの可哀想な運命

正直に申し上げて、この物語で一番の被害者であり、最も割を食ったキャラクターは間違いなくカイル・エットマンです。
彼は最初から最後までレイラを純粋に愛し、彼女の幸せだけを願って行動した、まさに「善良さ(Green Flag)」の象徴のような青年でした。
届かなかった手紙と想い
カイルの悲劇は、マティアスの卑劣な策略によって加速しました。彼が大学に進学した後、レイラに宛てて書いた数え切れないほどの手紙。
それらはマティアスの手によって遮断され、一通もレイラに届くことはありませんでした。カイルはレイラに見捨てられたと思い込み、レイラはカイルが新しい生活に馴染んで自分を忘れたと思い込む。
このすれ違いがなければ、二人の未来は違っていたかもしれません。
戦場での残酷な誤解
さらに心が痛むのは、戦場でのエピソードです。
マティアスからレイラと赤ん坊を託された時、カイルは一瞬、「これでレイラと家族になれる」「僕がこの子を育てて、三人で幸せになるんだ」という淡い希望を抱いてしまいました。
海外のファンからは「Sweet summer child(現実を知らない純真な子)」と揶揄されるほど、彼はあまりにも人が良すぎました。
カイルの最終的な結末
レイラは結局、自分を傷つけたはずのマティアスを選びました。カイルの長年の献身的な愛は、恋愛という意味では報われることはありませんでした。
彼は失恋の痛みを受け入れ、医師として、そして良き友人として別の道を歩むことになります。
読者としては「カイルほどいい男はいないのに!」「彼こそ幸せになるべきだ」と叫びたくなります。
しかし、物語の構造上、彼の「正しさ」と「弱さ(権力のなさ)」があったからこそ、マティアスの「悪」と「強さ」が際立ち、レイラの選択の重みが強調されたのも事実です。
クラウディーヌとビルおじさんの最後

マティアスの婚約者であったクラウディーヌ・フォン・ブラントと、レイラの親代わりであった庭師のビル・レマー。この二人の結末もまた、物語の重要なピースです。
公爵夫人になれなかった女、クラウディーヌ
クラウディーヌは一見、被害者のように見えますが、彼女の行動原理は常に「損得」でした。
彼女はマティアス個人を愛していたわけではなく、「ヘルハルト公爵夫人」という地位と権力を愛していました。
だからこそ、レイラという「異物」を排除しようと冷酷に振る舞いました。
最終的に彼女はマティアスとの婚約を解消され、別の伯爵家の男性と結婚します。一応貴族としての地位は保ちましたが、彼女が心から欲していた「最高位の公爵夫人」の座は永遠に失われました。
また、彼女の従兄弟であり、彼女を密かに想い続けていたリエットは戦争で命を落とします。
愛よりも条件を選び続けてきた彼女は、自分に向けられていた真実の愛(リエット)にも気づけないまま、あるいは気づかないふりをしたまま、空虚さを抱えて生きていくことが示唆されています。
ビルおじさんの悲劇的な死
そして、最も悲しいのがビルおじさんの最期です。彼は不器用ながらも、孤児のレイラを実の娘のように愛し、育ててきました。
しかし、彼の正直さはマティアスの狡猾さには敵わず、知らず知らずのうちにレイラを追い詰める片棒を担がされてしまうこともありました。
クライマックスの逃亡劇の中で、ビルはレイラを追っ手や戦火から守るために、その命を落とします。
「おじさん!」と叫ぶレイラの悲痛な声が聞こえてくるような悲劇的なシーンです。ビルの死によって、レイラはこの世界で唯一無二の「安全地帯」であった保護者を失いました。
この喪失こそが、彼女を精神的に自立させ、マティアスと対等に向き合う覚悟を決めさせた最後の引き金だったのかもしれません。
気持ち悪いと言われる感想の理由

Google検索などでこの作品を調べると、「気持ち悪い」「胸糞」「吐き気がする」といった強い拒絶反応を示すワードを目にすることがあります。
これは作品のクオリティが低いからではありません。むしろ逆で、マティアスの「有害なロマンス(Toxic Romance)」の描写があまりにもリアルで、人間の暗部を抉り出してくるからです。
- 同意のない強引な関係や、言葉による精神的な暴力。
- 罪悪感を一切抱かずに他者の人生を踏みにじる、ソシオパス的な行動原理。
- 被害者であるはずのレイラが加害者に惹かれていく、ストックホルム症候群的な心理変化。
これらは現代の倫理観、特に「同意」や「健全な関係」を重視する価値観とは真っ向から衝突します。
「こんな男を好きになるなんてありえない」「DVを美化している」と感じる読者がいるのは当然のことです。
しかし、フィクションの世界において、この「背徳感」や「倫理の一線を超えた愛」の描写こそが、中毒性の高い魅力となっているのも事実です。
作家Solche先生は、読者を不快にさせるギリギリのラインを攻めつつ、最終的には圧倒的な筆力で二人を納得のいく結末へと導いています。
「気持ち悪いけど読むのを止められない」という感想こそ、この作品が持つ魔力を表していると言えるでしょう。
漫画と原作小説の違いを解説

現在、LINEマンガやebookjapanなどで配信されているウェブトゥーン(漫画)版は、原作小説のプロットを非常に忠実に再現しています。
絵柄も美麗で、マティアスの妖艶さやレイラの可憐さが視覚的に楽しめる素晴らしいコミカライズです。
小説版独自の魅力:圧倒的な心理描写
しかし、もしあなたが漫画版を読んで「もっと二人の気持ちを知りたい」「なぜレイラは戻ったのか深く理解したい」と思ったなら、原作小説(英語版や韓国語版の翻訳含む)に触れることを強くおすすめします。
小説版では、マティアスの内面の葛藤が驚くほど緻密に描かれています。
漫画では「無表情で冷徹」に見えるシーンでも、内心ではレイラへの嫉妬や独占欲、そして得体の知れない感情にどう対処していいかわからず混乱している様子が文章で表現されています。
また、レイラが徐々に彼に惹かれていく微細な心の動きや、性的な緊張感のあるシーンの情緒的な描写も、テキストならではの濃密さがあります。
漫画は「視覚的な美しさと展開の速さ」、小説は「心理描写の深さと感情の解像度」。それぞれの良さがありますが、作品の世界観を骨の髄まで味わいたいなら、原作小説は必読です。
泣いてみろ、乞うてもいいのネタバレまとめ

『泣いてみろ、乞うてもいい』は、美しい絵柄に騙されて読み始めると火傷をするような、劇薬のようなロマンス作品です。
それは単なるシンデレラストーリーではなく、傲慢な貴族と誇り高い孤児が、互いの魂を削り、傷つけ合いながらも、最終的には唯一無二の家族となる再生と許しの物語でした。
記事のまとめ
- マティアスとレイラは幾多の困難を乗り越え結婚し、フェリックスとアリエラという愛しい子供たちに恵まれる。
- カイルやクラウディーヌはそれぞれの運命を受け入れ、ビルおじさんはレイラを守り悲劇的な最期を迎える。
- マティアスの改心とレイラの選択には賛否両論あるが、その「割り切れなさ」も含めて深く心に残る名作である。
結末を知ってから読んでも、その過程にある感情のジェットコースターは決して色褪せません。
むしろ、「この冷たい男が将来あんなにデレデレなパパになるなんて…」というニヤニヤした視点で読み返すことができるのも、ネタバレを知った読者の特権です。
この重厚で美しい愛の物語を、ぜひebookjapanなどの電子書籍サイトで、あなた自身の目で確かめてみてくださいね。きっと、忘れられない読書体験になるはずです。


