薬屋のひとりごとの梅梅(めいめい)とは?声優や羅漢との関係を徹底解説

現在、アニメ界隈だけでなくミステリー好きや歴史ドラマファンの間でも絶大な支持を集めている『薬屋のひとりごと』。
猫猫(マオマオ)が毒味役として後宮の謎を次々と解き明かしていく痛快なストーリーは、一度見始めると止まらなくなりますよね。
そんな物語の中で、猫猫が唯一「素」に戻れる場所として描かれるのが、花街にある最高級妓楼「緑青館(ろくしょうかん)」です。
そこには個性豊かな妓女たちが暮らしていますが、中でも一際上品で、大人の色香と知性を漂わせているのが、三姫の長女格である梅梅(メイメイ)です。
彼女は単なる「主人公の知り合い」という枠には収まりません。猫猫にとっては母親代わりのような存在であり、物語の裏で動く巨大な感情のうねり
特に猫猫の実父である羅漢(ラカン)や実母の鳳仙(フォンシェン)との因縁を一身に背負っている、非常に重要なキーパーソンなのです。
アニメを最後まで見た方なら、第23話や24話で見せた彼女の行動に、胸を締め付けられるような切なさを感じたのではないでしょうか?
なぜあそこで彼女は泣いたのか?

彼女にとって羅漢とは何だったのか?

今回は、そんな梅梅という女性の奥深さに完全に魅了されてしまった私が、彼女のプロフィールから声優さんの演技の凄み、そして羅漢との複雑すぎる関係性まで、文字数の許す限り徹底的に深掘りして解説します。
これを読めば、次にアニメを見返した時、彼女の何気ない一言に涙してしまうかもしれません。

- 緑青館の最高位「三姫」の筆頭・梅梅の知られざるスペックと魅力
- アニメ版CV潘めぐみさんの演技分析と、ドラマCD版との詳細な比較
- 猫猫の父・羅漢に対して抱き続けた「恋心」と「諦め」の感情分析
- 実母・鳳仙の妹分として、二人の悲恋をどう見つめてきたのか
薬屋のひとりごと、めいめいの基本情報を解説
まずは、梅梅(メイメイ)というキャラクターが一体何者なのか、その基本的なプロフィールを、作中の描写や設定資料の情報を交えながらじっくり整理していきましょう。
「ただの綺麗な遊女」だと思ったら大間違い。彼女は花街でも伝説級の才女なのです。
めいめいの読み方と猫猫との違い

『薬屋のひとりごと』のキャラクター名は、中国風の響きを持っていて非常にエキゾチックですが、慣れるまでは読み方に戸惑うこともありますよね。
特に、漢字を二つ重ねる名前のキャラクターは印象に残ります。
今回主役の彼女は「梅梅」と書いて「メイメイ」と読みます。
主人公の「猫猫」は「マオマオ」ですね。
この「漢字を重ねる名前」というのは、愛称のような響きを持ち、親しみやすさや可愛らしさを感じさせる一方で、花街の源氏名としての「華やかさ」や「覚えやすさ」も兼ね備えています。
ちなみに、緑青館には他にも「白鈴(パイリン)」や「女華(ジョカ)」といった独特な読み方をするキャラクターがいますが、梅梅(メイメイ)という響きは、どこか柔らかく、それでいて芯の強さを感じさせる、彼女にぴったりの名前だと思いませんか?
豆知識:名前のイメージ
「梅」という字は、寒さの中でいち早く花を咲かせる植物です。花言葉には「高潔」「忍耐」「忠実」などがあります。
これは、長い年月、ある想いを秘めながら緑青館を支え、鳳仙の娘である猫猫を守り続けてきた彼女の生き様そのものを表しているようにも感じられます。
緑青館の三姫・才女としての地位

梅梅は、花街の中でも別格の存在とされる「緑青館」において、さらにその頂点に君臨する「三姫(さんき)」の一人です。
三姫とは、単にお金を積めば会えるような存在ではありません。彼女たちは客を選び、その座敷に上がるだけでステータスとなる、まさに高嶺の花です。
緑青館の三姫は、それぞれ異なる「極み」を持っています。
白鈴(パイリン)
圧倒的な身体的魅力と、底抜けに明るい舞踊の才能。
女華(ジョカ)
氷のような美貌と、詩歌を嗜む文学的才能。
梅梅(メイメイ)
並外れた知性と、琴棋書画(きんきしょが)を極めた才女。
梅梅の真骨頂は、その「知性」と「教養」にあります。
彼女はただ美しいだけでなく、政治の話から芸術、盤上遊戯(囲碁や将棋)に至るまで、あらゆる話題で客をもてなすことができます。
高級官僚や知識人が集まる緑青館において、彼女との会話は最高級の知的エンターテインメントなのです。
作中でも、彼女が手紙を書くシーンがありますが、その筆跡や文章の美しさは特筆すべきものでしょう。
猫猫が非常に博識で賢いのは、羅門(ルォメン)の教えだけでなく、こうした「知の巨人」である梅梅が身近な手本として存在していたことも影響しているのかもしれません。
めいめいのアニメ声優は潘めぐみ

アニメ版『薬屋のひとりごと』で梅梅に命を吹き込んだのは、声優の潘めぐみ(はん めぐみ)さんです。
個人的に、このキャスティングは「神懸かっている」と思いました。
潘めぐみさんといえば、『HUNTER×HUNTER』のゴンのような純粋無垢な少年役から
『ハピネスチャージプリキュア!』の白雪ひめのようなハイテンションな役までこなすカメレオン声優ですが、梅梅役では「母性」と「女の情念」を見事に表現されています。
普段の梅梅は、猫猫を猫可愛がりする「優しいお姉さん」です。声のトーンも少し高めで、甘く柔らかい響きがあります。
しかし、ひとたび猫猫に危険が及んだり、不届きな客をあしらう場面になると、声の重心がグッと下がり、ドスの効いた「姉御(あねご)」の声に変化します。
特に素晴らしかったのは、物語終盤で見せた「抑えた演技」です。言葉にならないため息や、震える声の余韻だけで、彼女が長年抱えてきた苦悩を表現していました。
派手な叫び声ではなく、静寂の中に感情を滲ませる演技は、ベテランの領域だと感じました。
アニメとドラマCD版キャスト比較

熱心なファンの方ならご存知かもしれませんが、『薬屋のひとりごと』にはアニメ版とは別に、原作小説の特装版特典として制作されたドラマCD版が存在します。
実は、この両者でキャストが異なっているキャラクターが何人かいます。
ここで、「梅梅はどうだったの?」と気になる方もいるでしょう。比較表を作成し、詳細を確認してみます。
| キャラクター | アニメ版声優 | ドラマCD版声優 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 猫猫 (マオマオ) | 悠木碧 | 悠木碧 | 唯一の続投メインキャスト |
| 壬氏 (ジンシ) | 大塚剛央 | 櫻井孝宏 | 大幅なイメージ変更なし |
| 高順 (ガオシュン) | 小西克幸 | 津田健次郎 | どちらも渋い低音ボイス |
| 梅梅 (メイメイ) | 潘めぐみ | (キャスト記載なし) | アニメで本格的に声がついた |
そうなんです。実はドラマCD版のクレジットには、主要な役としては梅梅の名前が見当たりません(モブとしての出演等は除く)。
つまり、梅梅というキャラクターにしっかりとした「声」と「演技」が与えられ、キャラクターとして確立されたのは、このアニメ版が初めてと言っても過言ではないのです。
アニメスタッフが梅梅というキャラクターをいかに重要視し、そこに潘めぐみさんという実力派を配置したか。その本気度が伝わってきますよね。
アニメや漫画での登場回まとめ

梅梅の活躍を振り返るために、重要な登場回を整理しておきましょう。
単に出番があるだけでなく、彼女の人となりが分かるエピソードをピックアップします。
アニメ第7話「里帰り」
猫猫が久しぶりに実家である緑青館に帰省する回です。
ここで初めて、動いて喋る梅梅が登場します。猫猫を見るなり抱きつき、頬ずりをする姿からは、彼女の深い愛情が伝わってきました。
また、猫猫が持ち帰った園遊会の簪(かんざし)を見て、送り主の地位や猫猫への評価を瞬時に分析するシーンでは、彼女の「目利き」としての鋭さが描かれています。
漫画(ビッグガンガン版)コミックス第3巻・第11話
アニメ第7話に相当するエピソードです。
漫画版では、ねこクラゲ先生の作画により、梅梅の衣装の豪華さや、ふとした瞬間の色っぽい表情が非常に細かく描かれています。
アニメとはまた違った「静止画としての美しさ」を堪能できるのでおすすめです。
アニメ第23話「鳳仙花と片喰」〜第24話「壬氏と猫猫」
ここは絶対に外せません。梅梅の物語におけるクライマックスです。
羅漢との対峙、鳳仙との再会、そして身請け騒動の結末。
彼女がこれまで何を思い、何を耐えてきたのかが全て明らかになる、涙なしには見られない神回です。
薬屋のひとりごとのめいめい、深い人間関係
ここからは、梅梅というキャラクターの内面にさらに深く切り込んでいきます。
彼女の魅力は、周囲の人々との「関係性」の中にこそ宿っています。
猫猫の姉貴分としての特別な絆

梅梅と猫猫の関係は、「仲の良い先輩後輩」という言葉では軽すぎます。
猫猫は幼い頃、養父である羅門(ルォメン)に育てられましたが、生活の場は緑青館でした。
忙しい羅門に代わり、あるいは親の愛情を知らない猫猫に代わり、女性としての生き方や、厳しさ、そして優しさを教えたのは、間違いなく梅梅だったはずです。
猫猫は基本的にドライで、他人に興味を示さない性格ですが、梅梅に対してだけは明らかに態度が違います。
甘えるような素振りは見せませんが、梅梅の言葉には素直に従いますし、何より梅梅を心から信頼しています。
一方の梅梅も、猫猫のことを「おもちゃ」のように扱いながらも、その実、誰よりも彼女の幸せを願っています。
猫猫が後宮で事件に巻き込まれていないか、変な男に捕まっていないか、常に案じているのです。この二人の間には、血縁を超えた「魂の家族」としての絆があります。
猫猫の実母・鳳仙との関係性

梅梅の猫猫への愛情の根底には、猫猫の実母・鳳仙(フォンシェン)への想いがあります。
かつて緑青館で、梅梅は鳳仙の「妹分」として、彼女の背中を追っていました。
当時の鳳仙は、囲碁と将棋を得意とする才女であり、今の梅梅のスタイルの原型とも言える存在でした。
しかし、鳳仙は羅漢との恋に破れ(正確にはすれ違い)、子供(猫猫)を身籠ったことで妓女としての価値を失い、精神を病んでしまいます。
梅梅は、敬愛する姉が崩れ落ちていく様を、一番近くで見ていたのです。
「あの時、もっと何かできたのではないか」「私が代わりに猫猫を守らなければ」
そんな贖罪にも似た感情が、梅梅を突き動かしていたのかもしれません。
猫猫の中に鳳仙の面影を見るたび、彼女は愛おしさと切なさに胸を焦がしていたのではないでしょうか。
羅漢への好意と複雑な感情

そして、最も複雑で、最も議論を呼ぶのが、猫猫の父・羅漢(ラカン)への感情です。
作中では明確に「愛していた」と言語化されることは少ないですが、状況証拠や彼女の行動を分析すると、梅梅が羅漢に対して特別な好意、あるいは恋心を抱いていたことはほぼ間違いありません。
彼女がまだ「禿(かむろ)」だった頃、羅漢は鳳仙の元へ通いつめていました。その際、鳳仙の相手ができない待ち時間に、羅漢の相手をしていたのが梅梅です。
彼女は羅漢から囲碁や将棋を教わり、その才能を開花させました。彼女にとって羅漢は「師」であり、憧れの男性だったのです。
しかし、羅漢の目には鳳仙しか映っていませんでした。
羅漢は人の顔を認識できない「相貌失認」のような症状を持っていますが、鳳仙(と猫猫)だけは認識できます。
梅梅にとって残酷なのは、どれだけ知的な会話を交わし、どれだけ盤上で熱戦を繰り広げても、罗汉にとって自分は「顔のないその他大勢」でしかなかったかもしれないという事実です。
それでも彼女は、羅漢が緑青館に来るのを待ち、彼が鳳仙を想い続ける姿を見守り続けました。これは並大抵の精神力ではできません。
羅漢との将棋対決での役割

アニメ1期のクライマックスで行われた、猫猫対羅漢の将棋対決。
この裏で暗躍したのが梅梅です。
猫猫は「羅漢に勝ったら、緑青館の妓女を身請けさせる」という条件を出しました
羅漢は「どうせ梅梅か誰かを身請けさせたいのだろう」と思っていましたが、猫猫の狙いは、隔離病棟に幽閉されていた「鳳仙」の身請けでした。
この計画を実行するには、羅漢を酔いつぶし、判断力を鈍らせる必要がありました。そのために最高級の酒を用意し、完璧なタイミングで提供したのが梅梅です。
この時の梅梅の心情を想像すると泣けてきます。
彼女は、自分が想いを寄せていた男性(羅漢)を、彼が愛し続けている女性(鳳仙)の元へ送り出す手助けをしたのです。
「選ぶなら、ちゃんと選んでくださいね」
このセリフには、「私ではなく、姉さんを選んでください」という諦念と、「姉さんを幸せにしてあげて」という願い、そしてほんの少しの「私を選んでほしかった」という未練が混ざっていたように聞こえます。
めいめいの身請けの可能性は?

物語の最後、鳳仙は羅漢に身請けされ、緑青館を去りました。では、残された梅梅はどうなるのでしょうか?
彼女は今や緑青館のトップです。年齢的にも、そろそろ身請けの話が出てもおかしくありません。しかし、彼女の眼鏡にかなう男性はそう簡単には現れないでしょう。
彼女の「身請け」については、ファンの間でも様々な考察がなされています。
ファンの考察
梅梅は、羅漢以上の知性を持つ男性か、あるいは罗汉とは全く違うタイプの、彼女の心を穏やかに包み込んでくれる男性を待っているのかもしれません。
もしくは、生涯現役を貫き、緑青館のやり手婆の後を継ぐという道もあり得ます。
個人的には、白鈴が李白という真っ直ぐな武官に惹かれたように、梅梅にも彼女の知的な鎧を脱がせてくれるような、素敵なパートナーが現れてほしいと願っています。
薬屋のひとりごとのめいめいを深掘り

彼女は、主人公の猫猫を支える脇役でありながら、一つのスピンオフ作品が作れそうなほど濃厚なバックグラウンドを持った女性です。
華やかな花街で、姉の身代わりのような立場に甘んじながらも、決して腐ることなく、知性と優しさを磨き続けた彼女の生き様は、現代を生きる私たちにも響くものがあります。
アニメ第2期、そしてその先の物語で、彼女にどのような幸福が訪れるのか。引き続き、猫猫の活躍と共に、緑青館の長女・梅梅の動向からも目が離せません。
この記事を読んで気になった方は、ぜひもう一度アニメを見返して、彼女の繊細な表情の変化をチェックしてみてくださいね!


