薬屋のひとりごと
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『薬屋のひとりごと』の時代設定ガイド!唐がモデル?

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イメージ【コミック・ハイウェイ】

こんにちは、コミックハイウェイ運営者のじんべいざめです。

薬屋のひとりごと』、面白いですよね!私もアニメを見てすっかりハマってしまいました。

でも、見ていると「この時代設定っていつ頃なんだろう?」「どこの国がモデルなの?」って気になりませんか?

最近は『星剣のソードマスター』を無料で読む方法を探したり、最新話のネタバレをチェックしたりと、いろんな作品情報を追うのが忙しいですが、『薬屋のひとりごと』の時代背景は特に気になります。

アニメ化もされて、作品概要を改めて知りたい人も多いかもですね。

この記事では、そんな『薬屋のひとりごと』の時代設定について、唐の時代や楊貴妃との関連、さらにはキングダムとの違いまで、詳しく掘り下げていこうと思います。

作品を深める4つの視点
記事の見どころを紹介
  • 舞台「茘」とモデル「唐」の関係
  • 『キングダム』との時代の違い
  • 作中の科学技術が意図的にズレている理由
  • 壬氏や後宮制度の史実との比較

薬屋のひとりごとの時代設定を徹底解説

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薬屋のひとりごと

華やかな後宮、毒見役の少女、そして暗躍する美形の宦官。

猫猫が解き明かす宮廷の闇が、あなたを壮大な陰謀の渦中へと誘う。

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まずは、検索している人が一番知りたい「いつの時代?」「どこの国?」という疑問にズバリお答えしていきますね。

この基本を押さえると、物語がもっと面白く見えてくるかなと思います。

きらびやかな後宮の世界観、その土台となっている歴史背景に迫っていきましょう。

舞台はいつ?どこの国か

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まず、結論から言ってしまうと、『薬屋のひとりごと』の物語が繰り広げられるのは、「茘(リー)」という名前の架空の国です。

特定の時代や実在する国をそのまま描いた歴史作品ではないんですね。

だから「〇〇時代の〇〇国だ!」と断定することはできません。この「架空の国」という設定が、実は物語の面白さにとって非常に重要なポイントになっています。

これについては後ほど詳しく解説しますね。

ただ、架空の国とはいっても、あの独特な後宮の雰囲気や文化、衣装、建物のデザインから、多くの人が「どこかの国がモデルになっているはずだ」と感じると思います。そして、その予想はズバリ当たりです。

この世界観を作り上げるために、作者の方は明確な歴史的モデルを参考にしています。それが、私たちが世界史で習う、中国の歴史なんです。

特に、ある特定の王朝の、最も華やかだった時代が色濃く反映されています。

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時代モデルは唐の楊貴妃のころ

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その最も有力なモデルとされているのが、8世紀頃(具体的には745年頃)の中国「唐」の時代です。

745年頃と聞いても、ちょっとピンとこないかもしれませんね。日本史でいうと、奈良時代、東大寺の大仏が作られ始めた頃にあたります。

この頃の中国「唐」は、歴史上でも屈指の「黄金時代」と呼ばれる、文化が最高潮に達した時期でした。

都の長安は世界中から人やモノが集まる国際都市で、きらびやかな貴族文化が花開きました。作中で描かれる壮麗な宮殿や、美しい妃たちの豪華な衣装、洗練された調度品の数々は、まさにこの唐の黄金時代のイメージがピッタリ重なります。

そして、この「745年頃」というピンポイントな時期設定には、さらに深い意味があると考えられています。

というのも、この年は、世界三大美人の一人としても有名な「楊貴妃(ようきひ)」が、皇帝・玄宗の「貴妃(きひ)」という高い位を得た年なんです。

皇帝・玄宗は楊貴妃を寵愛し、唐の文化は最盛期を迎えます。しかし、面白いのがここからなんです。

この華やかな時代のすぐ後、「安史の乱(あんしのらん)」という未曾有の大動乱が起こります。

この反乱によって唐の国力は一気に衰退へと向かい、楊貴妃自身も、逃亡の途中で兵士たちに殺害を要求され、悲劇的な最期を遂げることになります。

この「絶頂の繁栄」と、その直後に訪れる「破滅的な没落」という、あまりにも強烈なコントラスト。これこそが、作者の方がこの時代をモデルに選んだ理由ではないかと、私は思います。

薬屋のひとりごと』の舞台である「茘」も、一見すると華やかで平和な後宮や都が描かれていますが、その水面下では常に激しい権力争いや、近隣国(作中で言及される「北アレン」など)との緊張関係といった「没落の種」が描かれていますよね。

この唐の「繁栄と没落」の歴史を知っていると、物語に流れる緊張感や、壬氏が暗躍する理由も、より深く理解できるような気がします。

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キングダムとの時代比較

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「中国の昔の時代」と聞くと、同じく大人気漫画の『キングダム』を思い浮かべる人もいるかもしれません。

「どっちも中国が舞台だし、宦官も出てくるし、似たような時代?」と思うかもですが、これはまったく違います。

『キングダム』の舞台は「紀元前の中国・秦(しん)の時代」。これは、後の始皇帝となる政(せい)や、主人公の信(しん)が、バラバラだった国々を統一するため戦乱に明け暮れる物語ですね。

一方で『薬屋のひとりごと』のモデルである「唐」は、それからなんと約1000年も後の時代にあたります。

日本史で例えるなら、『キングダム』が「弥生時代」に稲作が伝わって国々が争い始めた頃だとすれば、『薬屋のひとりごと』は「平安時代」に紫式部が源氏物語を書いた頃……と言えば、そのとてつもない時代の差がイメージできるでしょうか。

1000年で何が違う?

『キングダム』(紀元前・秦)

まだ中国全土が統一されておらず、戦乱が日常の時代。法や官僚制度も発展途上です。

『薬屋のひとりごと』(8世紀・唐モデル)

中華統一が成し遂げられてから久しく、巨大な帝国として成熟した時代。科挙(かきょ)といった試験による官僚登用制度も確立しています。

「宦官(かんがん)」が登場するという共通点はありますが、『キングダム』で暗躍した宦官・趙高(ちょうこう)と、『薬屋』で後宮を管理する壬氏(じんし)とでは、その立場や背景となる社会制度がまったく違うんですね。

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壬氏は実在する?宦官とは

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さて、物語の超重要人物である壬氏(ジンシ)。その美貌とミステリアスな雰囲気で大人気ですが、彼が実在した人物なのか気になりますよね。

結論から言うと、壬氏は架空の人物で、実在はしません。

ただ、彼の(表向きの)立場である「宦官(かんがん)」は、中国の歴史、特に「後宮」を語る上で絶対に欠かせない、実在した存在です。

そもそも「後宮(こうきゅう)」とは、簡単に言えば「皇帝の妻(妃)や子供たちが住まう、男子禁制の居住スペース」のことです。

皇帝の血筋を守るため、皇帝以外の男性は原則として立ち入りが許されませんでした。

しかし、当時の後宮には、それこそ数千人規模の女性たちが住んでいたと言われています。

その広大な空間と、大勢の人々の生活を維持・管理するためには、膨大な数の運営スタッフや、力仕事をする人間が日常的に必要です。

そこで必要とされたのが、「宦官」でした。

彼らは、去勢手術(男性器を切除すること)を受けた男性たちです。

非常にセンシティブな話ではありますが、「男性としての力仕事はできるが、女性と関係を持って皇帝の世継ぎ問題を混乱させることはない」存在として、後宮内のあらゆる実務を担うために不可欠とされたのです。

作中で壬氏が、あの美貌でありながら(表向きは)宦官という立場であるがゆえに、男子禁制の後宮を自由に歩き回り、妃たちの管理や事件の捜査ができているのは、この歴史的な背景に基づいているんですね。

彼が「宦官(のふり)」をしていることが、物語の根幹に関わる重要な設定になっているわけです。

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後宮の制度など史実との違い

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薬屋のひとりごと』のリアリティを高めている大きな要因が、この「後宮の制度」です。

作中では、猫猫が仕えることになった玉葉妃(ギョクヨウひ)や、梨花妃(リファひ)、里樹妃(リシューひ)、そして元・阿多妃(アードゥオひ)は、「四夫人(よんふじん)」と呼ばれる皇帝の高位の妃たちですよね。

実はこの制度、史実の唐の時代と強くリンクしています。史実の唐でも、皇后(こうごう)をトップに、その下に「貴妃(きひ)」「淑妃(しゅくひ)」「徳妃(とくひ)」「賢妃(けんひ)」といった高位の妃を置く「四夫人」の制度が確かに存在しました。

あの楊貴妃の「貴妃」という位も、まさにこの四夫人の一つなんです。

もちろん、四夫人の下にも「昭儀(しょうぎ)」、「昭容(しょうよう)」…と、さらに細かい階級(位)がたくさん存在し、さながら巨大なピラミッド型組織のようになっていました。

この厳格な階級制度が、後宮内のドロドロした権力争いや嫉妬の温床になっていたわけで、物語の舞台装置として非常に優れています。

このように、制度面では史実の唐をかなり忠実に参考にしている一方で、作中の「茘」とモデルの「唐」では、意図的に「変えられている」部分も多くあります。

その違いを簡単に表で比較してみましょう。

比較項目舞台「茘(リー)」(作中)歴史モデル「中国・唐代」他(史実)
時代不明(架空)8世紀頃(745年頃)が有力モデル
国名茘(リー)
後宮制度皇后、四夫人(玉葉、梨花など)皇后、四夫人(貴妃、淑妃など)
宦官の権力非常に強い(壬氏が捜査権を持つ)存在する(ただし壬氏の権力は後代の「明」のイメージも)
科学技術16~19世紀の知識が混在8世紀の水準(木版印刷など)
登場物品カカオ、蒸留酒、炎色反応の知識カカオは存在しない

この表を見て「あれ?」と思った方も多いはずです。そう、「科学技術」や「登場物品」が、8世紀の唐の時代とは明らかにズレているんです。

次の章では、この「意図的な時代のズレ」の謎について、さらに詳しく掘り下げていきます。

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薬屋のひとりごとの時代の魅力と謎

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薬屋のひとりごと

薬と毒にしか興味がなかった少女・猫猫。だがその好奇心が、彼女を帝の世継ぎを巡る権力闘争の中心へと導く。

彼女の知識が運命を動かす。

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さて、基本的な時代設定は「唐」がモデルだと分かりました。

でも、上の表にもある通り、作中には「あれ?」と思うような、時代にそぐわないアイテムや知識も出てきますよね。

その「謎」こそが、この作品の最大の魅力なんです。

なぜチョコレート(カカオ)が登場?

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作中の序盤、園遊会で猫猫がチョコレート(カカオ)を見つけるエピソードがあります。妃たちが「媚薬では?」と恐れる中、猫猫がその正体を見抜くシーンは印象的でしたよね。

でも、ちょっと待ってください。史実の唐の時代(8世紀)に、カカオは絶対に存在しませんでした。

カカオは中南米原産の植物で、ヨーロッパに伝わったのも15世紀以降の大航海時代を経てからです。中国に伝わるのは、さらにずっと後のこと。

これは明確な「時代錯誤」、専門用語で「アナクロニズム」と呼ばれるものです。

「歴史考証ミス?」と思うかもしれませんが、そうではありません。実はこれ、作者の日向夏氏が意図的にやっていることなんです。

作者の方は、唐代をモチーフにしつつも、文化や科学技術レベルは「16世紀〜19世紀ごろの知識までを取り込んでいる」と明言しています。

つまり、唐の時代には「ありえない」はずのカカオをあえて登場させることで、猫猫の知識がその時代の水準を遥かに超えていることを示すと同時に、物語のフック(謎解きのアイテム)として機能させているんですね。

この「意図的な時代のズレ」こそが、『薬屋のひとりごと』がただの歴史作品ではなく、ミステリー・ファンタジーである証拠なんです。

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薬や病気の知識レベル

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カカオ以上に「時代錯誤」が顕著なのが、主人公・猫猫の薬学・科学知識です。彼女の知識レベルは、明らかに8世紀(唐代)の水準を逸脱しています。

例えば、作中で描かれるこんな知識。

乳児ボツリヌス症(蜂蜜)

猫猫が、赤子に蜂蜜を与えてはいけない、と指摘する場面があります。

「1歳未満の乳児に蜂蜜を与えると、乳児ボツリヌス症にかかる危険がある」という知識は、現代の私たちにとっては常識ですよね。

しかし、この原因となるボツリヌス菌が発見されたのは19世紀末になってからです。8世紀の唐代では、知る由もない超近代的な医学知識なんです。

炎色反応

猫猫が、金属を燃やした時の特有の色(炎色反応)によって、毒物や物質の特定を試みる場面があります。

この「炎色反応」によって元素を特定するという分析化学の手法が体系化されたのも、19世紀の近代化学の発展によるものです。

当時の人々から見れば、猫猫のやっていることはまるで「魔法」か「妖術」のように見えたかもしれません。

【考察】蒸留酒(焼酎)は時代錯誤?

猫猫が愛飲するお酒、特にアルコール度数の高い「蒸留酒(焼酎)」も、気になるところです。

一般的に、蒸留酒の技術がアジアで普及したのは、唐代よりも後の時代(日本では14~15世紀頃)とされています。この点だけ見ると、これもアナクロニズムのように思えます。

しかし、これは断言できないかもしれません。近年の考古学研究では、なんと中国・前漢時代(紀元前)の「海昏侯墓(かいこんこうぼ)」という遺跡から蒸留器が出土し、実験考古学によって当時から蒸留酒の製造が可能だった可能性が示唆されているんです。

もしかすると、「茘」の国では(史実の中国とは異なる歴史を辿り)蒸留技術が早期から確立・普及していた…という「ファンタジー世界」ならではの独自設定と解釈するのが、一番しっくりくるかもしれませんね。

こういう「史実とフィクションの境界線」を考察するのも、この作品の楽しみ方の一つです。

【考察】印刷技術と識字率

作中では、情報を記録する媒体として、木簡(木の札)や竹簡(竹の札)と、紙が併用されています。

そして、猫猫のように文字(漢字)を読み書きできる人間と、そうでない人間(識字率の低さ)が明確に分かれている様子が描かれています。

これは、モデルとなった唐代の時代感と、非常にマッチしています。

史実の唐代は、すでに「木版印刷」の技術は存在していましたが、書物はまだまだ手書きが主流で非常に高価なものでした。

15世紀ヨーロッパにおけるグーテンベルクの「活版印刷術」のような、爆発的な知識の普及(=識字率の向上)はまだ起きていません。

そのため、官僚や一部の知識人を除けば、文字の読み書きができること自体が一種の高度なスキルでした。

猫猫が薬師としての知識だけでなく、「文字が読める」ことによって重宝される描写は、非常にリアリティのある設定と言えますね。

作中には様々な薬や医学知識が登場しますが、これらはあくまで物語を面白くするための演出です。猫猫の知識には、近代医学の知見が意図的に含まれています。

実際の健康問題や体調不良については、自己判断せず、必ず専門の医師や薬剤師にご相談ください。特に作中に出てくるようなキノコや植物の知識は、絶対に真似しないでくださいね。

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架空の国にした理由とは

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ここまで読んでいただくと、作者がなぜ舞台を史実の「唐」そのものではなく、あえて架空の国「茘(リー)」にしたのか、その理由がハッキリと見えてきますよね。

もし舞台が史実の「唐」だったらどうなっていたでしょう?

猫猫が「乳児に蜂蜜はダメです!ボツリヌス菌が!」と叫んでも、誰もその根拠(菌の存在)を理解できません。

ただの「たわごと」や「迷信」として片付けられてしまい、謎を解決する「探偵」として活躍できなくなってしまいます。

「唐の時代にカカオは存在しない!」「炎色反応なんて知るわけない!」といった、歴史的な制約(ツッコミ)が、物語の展開の邪魔をしてしまうんです。

そこで、舞台をあえて「茘」という架空の国に設定することにより、作者はこれらの歴史的制約から解放されました。

「リアリティ」と「フィクションの自由度」の完璧な両立

『薬屋のひとりごと』の世界観は、この絶妙なバランス感覚で成り立っていると私は思います。

リアリティ(土台)

読者がすぐ世界観に入り込めるよう、後宮の制度、宦官の存在、華やかな衣装や文化といった「魅力的な雰囲気」は、史実の「唐」から借りてくる。

フィクションの自由度(核)

主人公・猫猫を活躍させるため、物語の核となる「謎解きの知恵」には、あえて近代の科学・医学知識を持ち込む。「架空の国」だから、カカオがあってもOKにする。

この巧みな設定により、私たちは「知っている歴史(唐)」の安心感を持ちつつ、「知らない謎(近代科学ミステリー)」の興奮を同時に味わうことができる。

これこそが、本作が多くの人を惹きつける最大の理由ではないでしょうか。

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唐と明の時代がミックス?

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さて、もう一つだけ、面白い「時代のミックス」についてお話しさせてください。それは、壬氏の「権力」の描き方です。

先ほど「宦官」は後宮の実務を担う存在、と解説しました。

しかし、作中の壬氏は、単なる後宮の管理者という立場に留まらず、宮廷内の陰謀を探るスパイ活動や、秘密裏の捜査を指揮するような、強大でミステリアスな権力と、秘密警察的な側面を持っていますよね。

唐の時代にも宦官は存在しましたが、壬氏のような「スパイ機関のトップ」として暗躍する宦官像は、実は後代の「明(みん)」の時代(15世紀~17世紀)のイメージと強く重なります。

史実において、明代には「東廠(とうしょう)」や「西廠(せいしょう)」といった、宦官がトップに立つスパイ・秘密警察機関が創設されました。

これらの機関は、皇帝直属の組織として、官僚や民衆の動静をひそかに探り、謀反や不正を摘発するという名目で、絶大な権限を振るいました。

その専横は凄まじく、拷問や暗殺も辞さず、明一代を通じて人々から恐怖と怨嗟の的とされたと記録されています。

つまり、『薬屋のひとりごと』の時代設定は、ここでも意図的な「時代のミックス」が行われていると分析できます。

後宮の「ガワ(外側)」

唐代(8世紀)の華やかさや制度を採用。

宦官の「権力(内側)」

明代(15世紀~)の強大でミステリアスな秘密警察の権力構造を採用。

このハイブリッドな設定により、壬氏というキャラクターの特異性(ただの後宮管理者ではない、裏の顔)と、彼が立ち向かう宮廷の暗部(闇)が、より効果的に演出されているんですね。

いやあ、本当によく考えられた設定だなと感心してしまいます。

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答えはブックライブで読もう

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こうした時代設定の「ズレ」や「ミックス」の謎は、アニメだけでなく原作の小説や漫画を読むと、さらに深く楽しめますよ。

アニメは視覚的に華やかで、声優さんたちの演技も素晴らしいですよね。

一方で原作、特に小説版では、猫猫の心理描写がより深く掘り下げられていたり、アニメでは省略された詳細な医学・歴史の豆知識が(猫猫のモノローグとして)詳しく書かれていたりします。

「あの描写の裏には、こんな科学的根拠があったのか!」と、答え合わせのように楽しむことができます。

「このアイテムは、この時代の知識だな」とか「この制度は唐の史実通りだ」なんて考えながら読み返すと、一度見たエピソードでも面白さが倍増します。

私も気になったところは、電子書籍ですぐに読み返せるようにしています。

特にブックライブなら、電子書籍で試し読みも充実していますし、クーポンなどでお得に読めるチャンスも多いので、原作の雰囲気を掴むのにおすすめです。

猫猫のさらなる活躍や、壬氏とのじれったい関係の進展も、ぜひ原作でチェックしてみてください。

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薬屋のひとりごとの時代設定まとめ

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最後に、この記事で解説してきた『薬屋のひとりごと』の時代設定の魅力を、もう一度まとめておきますね。

この作品の世界観は、単なる「唐代のコピー」でも「完全なファンタジー」でもない、異なる「時代のレイヤー」を緻密に重ね合わせることで構築されています。

『薬屋のひとりごと』を構成する3つの時代レイヤー

土台(ガワ)

8世紀・唐の黄金時代の華やかな後宮制度(視覚的リアリティ)

スパイス(権力)

明代のミステリアスで暗躍する宦官の権力(政治的サスペンス)

核(主人公の知恵)

16世紀~19世紀の近代科学・医学の知識(謎解きのカタルシス)

多くの人が「薬屋のひとりごと 時代」と検索してしまう動機は、きっとこの「どこか知っている(唐っぽい)のに、何かが違う(近代科学?)」という、魅力的な違和感と好奇心にあるんだと思います。

その答えは、「歴史上最も華やかだった時代の舞台装置を借りて、近代科学の知識を持つ主人公が謎を解く、計算され尽くしたハイブリッド・ファンタジー」である、と私は結論づけたいです。

この記事で解説した「唐の黄金時代と没落の影」「キングダムとの1000年の差」「宦官の本当の役割」「意図的なアナクロニズム(カカオや医学知識)」

「明代の秘密警察」といったポイントを知った上で、もう一度アニメや原作を見返してみると、きっと新たな発見があるはずですよ。

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